2012年1月27日 (金)
「J・エドガー」
「J・エドガー」
2012年1月28日よりなんばパークスシネマ他で公開
(C)2011 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
オススメ度:★★★☆☆
彼が最も生きにくい時代だったのでは。
時はアメリカ連邦捜査局(FBI)ができる前。
「人々が私の物語を知る時が来た」
部下に口述で回顧録を書かせるところから物語は始まる。
この作品を観終えてまず思ったのは、
映画館で何度となく見ていた劇場予告と印象がずいぶん違った、ということだ。
FBI初代長官として長きに渡って君臨し、
歴代の大統領ですら脅威に感じていた、強大な権力の持ち主という観点でのエドガーではなく
母の呪縛ともとれる過保護と過度な期待により
その後の彼を大きく位置づけられてしまった悲劇の人生が前面に描かれていると感じた。
さらに、吃音や同性愛者という要素がなければ
その人生はまた違ったものになっていたように思う。
今のFBIは信用できない、誰も信用できないと嘆くシーンが2、3度あるのだが、
本作品中でエドガーが他人を信用していたようには思えないのだ。
そればかりか、ごくごく限られた一部の人間にしか心を開かなかった、とあるが
その一部の人間である秘書(ミス・ガンディ)、副長官(トルソン)、そして母にすら
生きている間、一度として本当の心は見せてはいなかったのではないだろうか。
そんなエドガーの野心をかたち作った者の死が訪れるシーン。
母を看取った後、母のネックレスとワンピースを身につけ
母が繰り返し言った「強くあれ」。
自身にそう言い聞かせたのち、ネックレスを引きちぎって床に泣き崩れるエドガー。
やがて年老い、自らの終わりを予感したエドガーは自分の死後、極秘ファイルを秘書に託す
エドガーの迫力ある演技は、静かだけどぞっとした。
母を亡くした日、悲しみに打ちひしがれたエドガーをうつした姿見に
時を経て同じ、愛する者を失おうとするトルソンがうつり込む姿は、何とも切ないものだった。
このシーンをはじめ、前評判で絶賛されていたレオナルド・ディカプリオの演技を凌ぐほど、
エドガーの側近中の側近、クライド・トルソン役のアーミー・ハマーの演技がとても光っていた。
まだ出演作が少ない若い俳優ではあるが、若き日のトルソンはもちろん、
年老いてしぼんでゆきながらも、生涯エドガーに仕える姿が胸に迫る。
「過去から学ぼうとしない社会は滅びる。決して歴史を忘れるな。」
「民主主義の基本は個人の価値を信じること」
「信じるのよ、エドガー、信じるの」
「花のように萎れてはダメ。強くなるのよ」
時が流れた今、耳を傾けるべき言葉がいくつもちりばめられた作品であった。
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歴史に明るくない人は、時代背景やアメリカでの事件史と登場人物の人となり、
最低でもジョン・エドガー・フーバーについてだけでもいいので
軽く頭に入れて観賞に臨むことをオススメします。
私は名前をうっすら知っているだけの知識でしたので、
飛ばし読み程度にエドガーについて叩き込んでから作品を観ました。
おそらくそうしなければ、何の脈略もなく出てくるエピソードが多くて
作品を楽しめなかったかもと思いました。
■J・エドガー|eo映画
http://eonet.jp/cinema/db/movie/19904.html
■J・エドガー|ストーリー・キャスト|ピックアップ作品|eo映画
http://eonet.jp/cinema/pickup/index_120120.html




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